2025.06.10
雨の日でも安心!滑りにくいコンクリートの工法と素材の選び方
こんにちは、四季辺の赤土です。
コンクリートって滑りやすいイメージ、ありますでしょうか?
実は、コンクリートの仕上げ方法によって滑りやすさは大きく変わるんです。
見た目を優先した仕上げ方にしてしまうと、滑りやすくなってしまうこともありますが、
逆に、安全性とデザイン性を両立できる加工方法もたくさんあります。
この記事では、「滑らないコンクリートを作るための具体的な仕上げ方」や
「そもそもなぜ滑るのか?」「玄関まわりの安全性を高める他の工夫」まで詳しく解説していきます。
玄関全体を使いやすく安全に整えるバリアフリーの工夫も気になる方は、
【玄関のバリアフリー対策で押さえておきたい7つのポイント】もぜひご覧ください。
なぜコンクリートは滑るの?
これは施工時の仕上げ方法が大きく関係しています。
住宅まわりや駐車場などによく使われているのが、「金コテ仕上げ」という方法です。
金属製のコテで表面を押さえて、ツルツルで凹凸のない美しい仕上がりにするのが特徴で、
見た目がキレイで、掃除がしやすいというメリットがあります。
しかしその一方で、表面に凹凸がないため、雨や雪が降った際に水が溜まりやすく、摩擦が極端に減ってしまうというデメリットがあります。
その結果、滑りやすくなり、転倒のリスクが高まるというわけです。
特に玄関やアプローチなど、日常的に通る場所では、こうした滑りやすさが安全面で大きな問題になります。
だからこそ、滑らないコンクリートに仕上げるためには、「金コテ仕上げ以外の方法」を選ぶことがとても大切なんです。
滑らないコンクリートに仕上げる重要性とは
【安全性の向上】
まず一番大切なのが、安全性です。
特に玄関やアプローチ、駐車スペースなど人の出入りが多い場所では、
滑りやすい仕上げにしてしまうと、雨の日や冬場に転倒してしまう危険性があります。
実際に「濡れた玄関で滑って足をくじいた」「お年寄りが転倒して骨折してしまった」といったお話も少なくありません。
凹凸のないコンクリートは確かに見た目はきれいですが、摩擦が少ないため、歩行時に足が取られやすいという弱点があります。滑りにくくする仕上げを施すことで、家族全員が安心して使える空間になります。
とくに高齢者がいるご家庭や、小さなお子さまがいるお住まいでは、早めの対策が重要です。
【社会的な責任リスクの回避】
滑りやすいコンクリートを放置していると、思わぬ責任を負うリスクも出てきます。
たとえば、来訪者が玄関先で転倒してしまった場合、状況によっては所有者側の過失を問われる可能性もあります。
玄関で宅配業者が転倒 → 治療費や損害賠償の請求
お客様がケガをしてしまい、トラブルに発展
このようなケースを防ぐためにも、「安全配慮義務」の観点から滑り止め対策をしておくことが非常に大切です。
防げたはずの事故を未然に防ぐことは、家族だけでなく訪問者への思いやりにもつながります。
【長期的な耐久性の確保】
滑り止めの加工は、実は「安全性」だけでなくコンクリート自体の寿命にも良い影響を与えます。
たとえば、滑り止めコーティングを施すことで表面が保護されるため、
・摩耗が抑えられる
・劣化スピードが遅くなる
・コンクリートのひび割れや剥離を防げる
といった効果が期待できます。
これにより、定期的なメンテナンスの頻度やコストを抑えることができるため、
長い目で見れば非常に経済的でもあるんです。
また、ハケ引き仕上げや洗い出しなどの仕上げ方でも、水はけや汚れにくさを意識した設計ができるため、結果的に掃除のしやすさや見た目のキレイさも長持ちします。
滑らないコンクリートを実現する仕上げ方7選
それぞれに特徴がありますので、用途やデザインの好みに合わせて検討してみてください。
1. 【ハケ引き仕上げ】
・玄関アプローチやスロープによく使われる
・シンプルでコストを抑えやすい
・職人の技術により模様の深さや仕上がりが変わる
もっともポピュラーで、滑り止め効果の高い仕上げ方法です。
コンクリートを流し込んだ後、乾ききる前に“刷毛(ハケ)”で表面にすーっと筋状の模様をつけるという仕上げ方です。
この凹凸が摩擦を生み、雨の日でもしっかりと踏ん張れる足元を実現します。
見た目はややラフになりますが、「とにかく滑りにくくしたい」という方におすすめです。
2. 【洗い出し仕上げ】
・石の種類や色でデザインに個性を出せる
・凹凸により滑りにくさも確保
・色砂利を使えばナチュラル・和風な雰囲気にもマッチ
おしゃれさと機能性を両立したい方に人気なのが「洗い出し仕上げ」です。
コンクリートの表面を仕上げ後すぐに水で軽く洗い流し、中に混ぜた砂利や小石の表面を露出させることで、自然な凹凸を作る仕上げ方法です。
コストはやや上がりますが、見た目の美しさと安全性を兼ねたい方には非常におすすめです。
3. 【滑り止めコーティング】
・専用の滑り止めコート剤(エポキシ系、ポリウレタン系など)を塗る
・表面の摩擦力を高める
・ガラスビーズや砂を混ぜることで効果UP
施工済みのコンクリートにも対応できる方法としては、コーティング剤の塗布があります。
DIYでも扱える製品もあり、既存のコンクリートに後から対策を加えたい場合には最適です。ただし、定期的な塗り直しが必要になる点と、屋外では劣化が早まる可能性がある点には注意が必要です。
4. 【テクスチャ加工】
・後加工が可能なので既存の床面にも対応できる
・模様の種類も多く、デザイン性を出せる
固まったコンクリートに後から凹凸や模様を加える「テクスチャ加工」も人気です。
たとえば、「ショットブラスト加工」と呼ばれる手法では、
細かい鉄球をコンクリート表面にぶつけて微細な凹凸を作り、滑りにくくします。
新築はもちろん、リフォームで「一部だけ滑るのを何とかしたい」というケースにも使える便利な方法です。
5. 【スタンプコンクリート】
・コンクリートを打設後、乾く前に型を押し付けて模様をつける
・さらに着色を加えて、自然石風・木目調などの仕上がりに
・凹凸があるため滑りにくく、見た目もおしゃれ
コンクリートでありながら、まるで石畳やレンガのようなデザインに見せられるのがスタンプコンクリートです。
素材はコンクリートなので耐久性・コスト面でも優秀です。
「おしゃれに安全性を確保したい」方にぴったりです。
6. 【タイル・石の敷設】
・仕上がりの高級感が魅力
・滑りにくい素材を選べば、安全性も確保
・タイルの色や大きさを自由に選べる
コンクリートの上にタイルや天然石を貼り付ける方法もあります。
注意点としては、素材によって滑りやすさに差があること。見た目が良くても、雨で滑るタイルもあるので、防滑タイプを選ぶことがポイントです。
玄関タイルが滑ることにお悩みなら、こちらのブログもぜひご覧ください。
[玄関タイルが滑るときの対策方法とは?]
7. 【コンクリート擬木】
・木のように見えるデザインで、ぬくもりある玄関やアプローチに
・実際の素材はコンクリートなので、腐らず長持ち
「木のあたたかみがほしいけど、耐久性に不安がある」という方におすすめなのが、コンクリート擬木です。
ナチュラルなテイストが好きな方や、和モダンな雰囲気を求める方にも人気の仕上げです。
8. 【ドライテック】
・コンクリートなのに水を通す構造になっており、雨がたまらない
・表面に水が残りにくいので、滑りにくさを自然に実現
・通気性・遮熱性にも優れていて、夏の照り返しも軽減
最近注目されているのが、透水性コンクリート「ドライテック」です。
「滑らないコンクリート」としての機能はもちろん、水はけの良さと高い遮熱性能も兼ね備えた次世代素材です。
私たち四季辺でも、近年は駐車場やアプローチにドライテックをおすすめしています。
水勾配や排水設備が取りにくい土地でも、透水性によって雨水をそのまま地中に戻せるのが大きなメリットです。
滑らないコンクリート以外で玄関の安全性を高める方法
【手すりの設置】
特におすすめしたいのは、以下のようなご家庭です:
・高齢のご家族がいる
・小さなお子さまがいる
・玄関に段差や傾斜がある
滑りやすさへの対策として、手すりの設置は非常に効果的です。
万が一足元を滑らせても、体を支える支点があるだけで、転倒を防げる確率は大きく上がります。
玄関前の階段部分やアプローチ脇に、縦手すり・横手すりを設置するだけで、足元の不安がかなり軽減されます。
また、後付けも可能ですが、できればコンクリート打設時に同時に施工すると、余計な穴あけ工事を避けられて見た目もきれいに仕上がります。
【照明の設置】
・センサー付きのLEDライト
・階段に埋め込むフットライト
・門柱やポスト一体型の照明
意外と見落とされがちなのが、「明るさ」。選べるタイプも豊富です。
明るくなるだけでなく、防犯効果も高まるので一石二鳥です。
夜間や雨の日、視界が悪いときに足元が見づらくなり、滑りやすさに気づかずに転倒してしまうこともあります。
そのため、玄関まわりには足元を照らす照明を設置するのがおすすめです。
【屋根やひさしの設置】
・雨の日でも玄関が濡れにくくなる
・傘の開閉や荷物の出し入れもスムーズに
・タイルやコンクリートの劣化防止にもつながる
コンクリートが滑る最大の原因は「水分」です。
つまり、雨や雪を物理的に防げれば、滑りにくさも大幅に改善されるというわけです。
そこでおすすめなのが、玄関まわりに屋根やひさしを設置することです。
後付けも可能ですが、家の外観とのバランスを考えながら設計できるため、外構工事と一緒に検討するのがベストです。
滑らないコンクリートで安心して暮らせる環境を手に入れよう
玄関やアプローチは、毎日使う場所だからこそ、安全性への配慮は欠かせません。
特に雨の日や冬場など、ちょっとした油断が転倒事故につながることもあります。
滑らないコンクリートに仕上げることで、ご家族や来訪者が安心して出入りできる住環境を整えることができます。
見た目やデザイン性を損なわずに、安全性と快適さを両立できる方法はたくさんあります。
私たち四季辺では、お客様のご希望やご予算、ご家族構成に合わせて、最適なご提案をしています。
「うちの場合はどうしたらいいんだろう?」という段階でも構いません。
まずはお気軽にご相談ください。
将来の安心のために、今からできる対策を一緒に考えていきましょう。
四季辺スタッフの赤土(あかつち)です。
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